冬の里山 天円山(天ヶ津)   2013/03/10
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- スミレ咲く信仰の山 天円山(あまがつぶ)、別名天ヶ津峰(あまがつみね)  -

今日は朝は良い天気だが昼前から寒気が入って雨になるとの予報。

雨の降る前に、近くの里山歩きをすることにした。



シゲさんにご紹介戴いた大谷の天円山に向かう。

天円山は地元民からは「あまがっつぁん」と呼ばれている。標高434.3mの山だ。

国土地理院の地図には天円山と記載されているがこれは間違いで天ヶ津峰が正しいらしい。



立派なほたるの里の石碑がありその横に駐車する。

御嶽(おんたけ)神社が登山口となっている。

8時8分出発。



御嶽神社は立派で信者の方がお詣りをされていた。



神社の左脇から登って行く。



登山道は御嶽神社の奥の院への参道となっているので、沢山の霊神像や石碑がある。



これは木曾の御嶽山を礼拝する御嶽教の霊神像とよく似ている。



御嶽教(おんたけきょう)では、"人の魂は山より生まれて山に還る"とされている。

したがって、御嶽講社の先達が亡くなると、その霊は山へ還って住みつくとされるため、

霊神碑を建ててお祀りをする。

霊神の名前は "戒名" の如きもので、神主や先達によって名付けられるらしい。



昔はこの御嶽神社への講が多く行われていたようだ。

丁石に「廣嶋?浦 講中」と刻まれている。

多くの講にはそれぞれ先達がおられて、その方が亡くなられてこの様な沢山の霊神碑が建てられたのだろう。



御嶽山の登山道の開拓者である覚明行者に因んで「明」の字を使うことが多いらしい。

この明心行者はこの参拝道を開いた方だろうか。



色の濃いスミレを発見



登るにつれて行者像や鈴を下げたような神像が多くなる。



この御嶽(おんたけと呼ぶのだろう)神社の謂われは調べても良く解らない。

しかしこの石像群を見ると可成り信者がおいでたようだ。



ヒサカヒの強い香りがする奥の院に到着。



蛇が足元にいる不動尊像もある。



奥の院の裏には更に石像が。

この変な対の石像は大権現の山門にある神像のようなものか?



金比羅神社から秋葉神社そして愛宕神社まで祀られている。



月読尊(つきよみのみこと)の立派な石碑の奥に祠がある。



御嶽山座王大権現の石碑が有る



祠の裏から下って行くと鉄塔に着く

オオバヤシャブシに花が咲いている。



良く整備された快適な道を行くとシハイスミレが沢山咲いている。

今年初めての出会いで嬉しくなる。



道は平坦で楽ちんだし、天気が良くてポカポカのスミレ街道は最高。



ウグイスがぎこちなく鳴いている。

可愛い鳴き声をお聞きください。

他の野鳥の鳴き声も多く聞こえる。



タツナミソウももう少しで咲くかな?



きつい所は石の階段となっている。

ざれそうな所は石垣と、登山道は完璧な程整備されていることに感心する。



フイリシハイスミれをみっけ



途中広場があり見晴らしが良いが、あいにく今日は黄砂で霞んでいる



また鉄塔を越えて進むと分岐にサルの墓の標識

此処から真っ直ぐと下る道がある。

池谷あたりから尾根伝いに登ってくる道があるようだ。



狒猿(ひひざる)の墓に着く

文保2年 1318年の年号が刻まれている。

文保2年と言えば鎌倉時代後期 後醍醐天皇が即位した年だ。



お猿の墓から引き返すようにピークへと登って行く



ピークから下って進むと車道に出る。



車道を上っていくとパラボラアンテナに着く



こんな所に広域通信用のJSMRシステムの中継局がある。

JSMRはその役目を終えて来年にはサービス中止となると聞いているが..



タチツボスミレなどのスミレが沢山咲いている。



頂上横には椅子のような石がサークル場に置かれている。



頂上の天ヶ津神社と二等三角点「雨ヶ壺」

10時5分着

三角点名は山名とは異なっている場合が良くあるが、此処の点名もすごい当て字だ。



立派な椅子とテーブルが設置されている。

見晴らしは良くて吉野川平野や鳴門の海まで180度の展望

桜の木が何本か植えられている。

桜の花が咲くと華やかなことだろう。



しかし、黄砂の所為で霞んでいるのが残念

アセビが花を開いていた。



ノンビリと昼食後下山開始

10時27分



採掘場への下山路を過ぎて下って行くと鳥居がある。



なんとこの天ヶ津神社の祭神は、天の岩戸で裸で舞を舞ったアメノウズメだそうだ。

アメノウズメは天孫降臨の折りサルタヒコと対応しその後サルタヒコの妻になったと謂われている。

大麻山の際神はサルタヒコなので、サルタヒコが天ヶ津峯まで会いに来たという言い伝えもあるとか。

アメノウズメを祖として猿女君(さるめのきみ)と言う氏があり古代より調停の祭祀に関わってきたらしい。



牧場跡の向こうに鳴門の内の海が霞んで見えている。

天気が良ければ素晴らしい眺望だろう。

林道沿いには桜が植えられている。

もう少しすると桜が咲いて楽しみながら歩くことが出来るようになるのかな?



閉められたゲートを越えて下って行くとアカシア街道の標識の横に猟師の墓への分岐があった。



鳴門カントリーが眼下に見える。

良く踏み込まれた綺麗な道を行く。



猟師の墓に着く

昔大麻には大猿がいて悪さをするので、播州の猟師が退治に来たが反対に食い殺される。

猟師の弟が見事に兄の敵を討ち、殺された猿は先ほどのサルの墓へ、兄は播州を望むことが出来るこの場所に埋葬したそうだ。
「猟師の墓」には暦応四年(1341年)の碑名が刻まれている。



猟師の墓からは更にその先に良く踏まれた道がある。

奥座敷の方に抜けることが出来るのかも。

(双子谷山と蜂ガ丸(ニゴタニヤマ・ハチガマル)へ30分くらいで行くことが出来るようです。)

引き返して降りていくと藍住から来られたというご夫妻がスミレを熱心に撮影されていた。



キブシが咲き始めていてタラの芽が沢山顔を出していた。



アセビが綺麗に咲き始めている。

これからの季節、アセビの花を見ながら歩くのは里山歩きの楽しみとなる。



ガサコソと音がしたので見ると、ニョロ君が目の前にいた。

いやだなあ。

ニョロ君はまだしばらく寝ていて欲しいのに。



車道に飛び出るとそこは星越峠

11時47分

大麻放牧場の碑があるが2000年に休業したままとなっているらしい。



車道を返っていると地球に冷たい風が吹き雨が降ってきた。

前線が降りてきたようだ。

カッパを着るまでも無いがウィンドブレーカーを着て急いで下って行く。

途中、天円山頂上から直接降りてくる道の登山口を過ぎる。

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12時23分登山口着。

今日は暖かい陽気の中スミレの咲く快適な里山歩きを楽しむことが出来た。



歩行距離 10.7㎞

累計標高差 ±588m

所要時間 4時間21分

19700歩


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