夏の里山 八巻山 東赤石山 権現越   2013/07/06
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 シコクギボウシ、タカネマツムシソウ等の夏の花が咲き始める八巻山、東赤石山 -

雨の東赤石山は手強かった

reikoさんのレポートでは東赤石山ではシコクギボウシが咲き始めているらしい。

私達はまだシコクギボウシの咲いているのを見たことがない。

紫のシコクギボウシの花を見てみたい。

しかし今日の天気は昼までは晴れだが午後は天気が崩れる予報。

早く登って降りなければと朝4時に起きて瀬場に向かう。



瀬場の登山口には誰も車も停まっていない。

今日は一番乗りかな?

出発準備をしていると愛媛ナンバーの車がやってきた。

筏津の登山口から登ろうとしてらスズメバチの巣があり通れないのでこちらにやってきたらしい。

ノリウツギが咲き始めている



6時56分登山口出発

標高650m

東赤石山は標高1706m

これから1000m以上の標高差を登らなければならない。

暑い季節にはキツイ。

直ぐに筏津からの道に合流。



まだ気温がそう上がっていないので緑の光が気持ちよい。

最初の渡渉点が水飲み場になっているので冷たい沢水を戴く。

この水が稜線上にあればなあ等と思うのは贅沢だろうか。



沢に沿ってドンドン登って行く。

百間滝だろうか?

凄い勢いで滝が流れ落ちている。



次々と木製の橋が現れる。

以前は傷んでいる橋が多かったが、今は立派な橋に掛け替えられている。



ヤマアジサイの花は清涼感一杯



7時48分 瀬場谷分岐の一本橋に着く。

橋の下をゴウゴウと清流が流れている。



瀬場谷分岐を左股コースへと赤石山荘に向かう。



登るにつれ沢音が激しくなってくる。

ヒグラシも負けじと大合唱。

沢の左岸を黙々と上っていく。



8時32分 やっと階段に着いた。



登山道にはブナの実が一杯落ちている。

このルートではブナは目立たないのだが登山道の上の方に沢山有るのかもしれない。

登山道が緩やかになってくると水場が近い。



8時41分 水場に到着。

岩に座り込んで休憩。

沢を渡る冷たい風が汗びっしょりの体に心地よい。

休んでいると単独の男性が軽やかに追い越していった。

休憩もしないで元気だなあ。



十分に休憩して出発



瀬場谷の右岸を進むと凄い勢いで水が流れ落ちている。



何カ所か渡渉点を渡る。

靴が水に浸かるが気にせずにジャバジャバ行く。

最近の靴は防水がしっかりしているので、くるぶしの下位まで浸かっても大丈夫のようだ。



段々に気温が上がって汗が噴き出る。

ヒグラシの鳴き声が頭の中で響いてにノイズのようにうるさく感じられるようになる。

疲れると日本人独特の感性も失われてくるのだろうか。

この辺の谷の傾斜は緩やかなので沢を歩いて行っても危険はなさそう。

沢に入ればどんなに気持ちが良いことだろう。



足下にヒメシャラの花が沢山落ちている。

見上げても花は見えない。



谷に沿った登山路は狭くて痛んでいる。

丸太を渡してある所は滑らないように緊張して通過する。



また左岸に渡り綺麗に笹が刈り払われた道を上って行く。

園芸ばさみが落ちていた。

安森さんの物かもしれない。



蛇紋岩の石がゴロゴロするようになると赤石山荘は近い。



この左股コースで何時も最初にタカネバラに出会う所に今年も咲いていました。

少し盛りは過ぎていましたが、蕾もまだ少しのこっています。



ベニドウダンも少し咲き残っている。

木の根が露出した所に来ると傾斜も和らぐ。



シモツケが咲き始めていてその鮮やかなピンクが一際目を引く。



少し登ると綺麗なタカネバラが咲いている。

痛んでもなくて咲いたばかりのようだ。

蕾も見える。



タカネバラとシモツケ

鮮やかなピンクの競演



イヨノミツバイワガサはもう花期の終わり。

アカショウマは花の盛り。



一気に目の前が開けて頭上に八巻山の岩塊が見えてきた。



コメツツジがポチポチと咲いている。

シライトソウが咲き残っている。



東赤石山へのトラバース道との分岐に着く

ウバタケニンジンの花が咲いているのに初めて出会った。

この花にはこの後たくさん咲いていた。



イワキンバイと?の蕾



10時4分 赤石山荘到着

出発から3時間10分程まあまあのペース。

気温は22度

山荘は閉まっていて広場にも誰も居なかった。



山荘の裏に回ったが水は出ていなかった。

冷たい水を飲みたいと思っていたが残念。

拾ったハサミを入り口に置いておく。



オオヤマレンゲの花は終わっているかなと思っていたが、まだ綺麗に咲いていました。

今年は樫戸山、、剣山でも可憐な花を楽しみましたがもう見納めだ。



蕾と実



オオナルコユリが今年も咲いていた。



少し椅子に腰を掛けて休憩してから八巻山に向けて出発。

シロモジの実が可愛い。



ロックガーデンを登って行くとコウスユキソウが沢山咲いている?

ネバリノギランはまだ蕾



ロックガーデンはまさに花畑

ウロウロ花を楽しみながら登っていく。



シコクギボウシの蕾が多いが、やっと咲いている花を発見。

私達はシコクギボウシの花は初めて。

蕾や咲いた跡はよく見ているが、咲いている花にはなかなか出会うことが出来なかった。

シコクギボウシは紫が濃く、数あるギボウシの中でも特に綺麗だ。



シコクギボウシのシベは上に反り返って曲がっている。

面白いなあ。



チョコレート色のホソバシュロソウも沢山咲いている。

シコクママコナが咲きはじめ。



キバナツクバネウツギは花が終わって実になっていた。

標高が上がるとイヨノミツバイワガサの新鮮な花があった。



ホソバシュロソウやシコクギボウシが沢山咲いていて見ていて飽きることがない。



赤石山荘が直ぐ下に見える。

随分時間が経ったが少ししか登ってきていない。

石室越えの方を見るとヒメコマツ(五葉松)とクロベの林が綺麗だ。

この辺にはヒメコマツの実を好むホシガラスが居るそうだが姿が見えない。



コウスユキソウ



シコクギボウシ



白骨林とホソバシュロソウ



コカラマツはまだ蕾



八巻山へは橄欖岩の岩が続くが難しい所はない。



コウスユキソウは家内が大好きな花。

群生を見つける度に足が止まる。



おかめ岩を過ぎて岩場にさしかかると朝追い抜いていった男性がもう降りてきた。

何処まで行ったのかな?



シライトソウの咲く岩場を登って行く



ユキワリソウが咲き残っていた。

5月26日に前赤石に行った時にはもう咲いていたのに随分と花期の長い花だ。

クロソヨゴの可愛い花も咲いていた。



11時7分 八巻山到着



しばらく休んで東赤石山に向かって下って行く。

新居浜の多喜浜が綺麗に見えている。

あの辺は住友化学の工場が多く良く通った事がある。



タカネマツムシソウが咲いている。

まだ咲き始めのようだ。



コメツツジが沢山咲いている。

岩場をドンドン下って行く。



タカネバラが所々に咲いている。

コカラマツはまだ蕾



パラパラときていたと思ったら本降りとなった。

昨日購入したカッパを着用。

このカッパはリュックを背負ったままでも着用できるので手軽だ。

しかし色が自衛隊の支給品のように地味だ。



雨に濡れた岩場は滑って歩きにくい。

慎重に岩角を掴みながら下って行く。

しかし、濡れた橄欖岩は突然滑る。

岩を飛び渡った時に滑ると大変なことになるので岩を渡る時は、一々岩角をホールドしながら進まなければならない。



カッパを着て歩いていると暑さの盛りの所為か?気分が悪くなり吐き気がしてきた。

熱中症か?

雨が止んだのでカッパを脱ぐ。

男性が一人東赤石山方向からやってきた。

四国中央市で地元だからと言っておられた。

やはり慎重に岩を登って行った。



目の前に東赤石山が見えてきた。

気温が上がって汗が滴り落ちる。



タカネバラが咲き残っている。

稜線に咲く花はまだまだ綺麗だ。

タカネマツムシソウが沢山咲き始めている。

もう少しすると見事な花園になるだろう。

蒜山などで見るマツムシソウより色が濃くて花弁も詰んでいるようで綺麗だ。



鞍部に降りてきた。

一息入れて景色を楽しむ。



タカネバラの群生があるともうすぐ



トラバースへの分岐に着くとまた雨が降ってきた。

東赤石までの道は笹が多くて濡れるのが嫌だったのでまたカッパを着る。

カッパを着ていると男性が降りてきた。

グランマ-啓子さんの掲示板でグランマ-さんの同級生の仙ちゃんだと知った。

前もって知っていれば色々お話をしたかったのに残念だ。



濡れた岩を這い上がると団体の居る東赤石山頂に着いた。



12時15分 頂上着

八巻山から1時間以上掛かったことになる。

皆さんが場所を空けてくれたので記念撮影。

皆さんは岩が濡れているので八巻山は諦めてこのまま下山されるそうだ。

グループと別に朝登山口でお会いしたご家族もいた。

やはりこのまま下山されるとのこと。



イワキンバイが雨に濡れて綺麗だ。

八巻山方向を眺めるとガスが湧いたり消えたりしている。

周りにはクロベが多い。



八巻山から団体がやってきているのが見える。

下兜山の向こうには新居浜の町。



単独行の女性が勢いよく息を荒げて登ってきた。

私達は三角点に移動

風が強くなってきて冷えてきた。

岩に座って昼食。

急に冷えてきたのでジャケットを着る。

前線が通り過ぎているのかも。



天気も回復してきたようなので権現越え経由で帰ることにする。

12時56分。

頂上直下の岩を下ろうとして突然滑った。

片手で岩を掴んでいたので転落はしなかったが別の岩で向こう臑をしたたか打った。

続いて注意して岩を降りようとしてまた滑った。

今度は慌てて岩を掴もうとして左手指を突き指してしまった。

こんなに簡単に滑るとは予想もしていなかった。

濡れた岩は全く靴底のグリップが効かない。

この後は倍以上注意して慎重に下る。

頂上直下の岩場を下るとキバナノコマノツメが咲き残っていた。



ユキワリソウも此が見納めかな。

権現越えまでは一つピークを越えて行く。



ウバタケニンジンやタカネバラが咲いているので心が安まる。



鞍部に近づくと目の前にピークがそびえる。

疲れた足が嫌々をしている。



ピークからは稜線の南側に出て岩場を降りていく。



木々が茂っていて岩から降りる時には登山道が見えない。

降りてみて初めて登山道があることが解る。

間違えて降りるとその先には登山道はない。

最近は歩いている人が少ないのだろうか。

広い岩場に出て左へと曲がる筈だが一つ手前の岩場で左へと降りてしまった。

踏み後らしき物があったのでそのまま下って行くと進めなくなった。

どうも間違ったとまた登り返す。



次の広い岩場の手前のテープが沢山有る所を潜るように左へと曲がる。



ドンドン下って行くとやっとトラバース分岐に着いた。



また小雨が降ってきた。

濡れた石の転がる道を下っていく。

やはり濡れた石は歩きにくい。



カノコソウが沢山咲いていると権現越えはもうすぐ。



ヤマブキショウマと東赤石独特の赤いヤマアジサイも咲いていた。



バイケイソウとコメツツジ



やっと権現越えに着いた。

14時42分。

滑らないように降りるのに疲れ果ててしまった。

しばらく草原に寝転がって休憩。



休んでばかりも居られない。

気合いを入れて出発。

コゴメウツギとフジイバラ?



登山道は深く抉れていてとても歩きにくい。

ドンドン下って行くと道が壊れて沢に突き当たった。

滑りそうな一枚岩の所で思案する。

もう一度登り返すと左に赤テープがありその先に登山道が見えた。

登山道の入り口が樹木に覆われて非常に見にくい。

ドンドン下って行くとまた沢に降りる所が崩落していてずり落ちながら沢に降りる。



その先は前に歩いた時とそう変わっていない。

壊れた橋の下を潜り嫌になる程長いトラバースを進む。

途中で雷が鳴り出した。

雨も大粒となってくる。

赤いヤマアジサイは撮影すると色が消えて見える。



一度カッパを着たが雷も遠ざかって雨も小雨となってきたのでカッパを脱ぐ。



まだそんな時間でもないのに薄暗くなってきた。

ライト点灯で下るのは嫌だ。

電力鉄塔保安路となり道が綺麗になったので駆けるように下る。



所がまた雷の音が響き渡り土砂降りの雨となる。

鉄製の橋は走って下ると途中で止まらなくなる。



登山道は沢のように水が流れて歩くことが出来ない。

林の中を滑り降りるように下って行く。

やっとガクアジサイの咲く廃屋に着いた。



床鍋の登山口に17時13分着



登山口にはグミの実が真っ赤に熟れていた。

ゴウゴウと流れる鍋床谷の流れを見ながら車道を下る。



疲れた足を引きずって瀬場の登山口に着くともう誰も居なかった。

17時37分

7時に歩き始めて殆ど休憩しなかったのに10時間以上の山歩きとなった。

車内で全部着替えてシートを倒してしばし休憩。

近くの自動販売機に寄って冷たいスポーツドリンクとゆずのジュースを購入して一気飲みする。

体の中から生き返る。



雨上がりの富郷ダムは幻想的だった。



トンネル手前の水が滝は水量が多くて迫力があった。



街に出ると東の方向に虹が出ていた。

高速を帰ると前方に雷が大暴れしている。

徳島市内は大雨だった。

今日は雨に降られてしかも滑りやすい岩の下りで戸惑ったが、沢山の夏の花に出会うことが出来た。

怪我なく無事降りてくることが出来たのでなによりだった。



歩行距離 13.8㎞

累計標高差 ±1,411m

歩行数 24,100歩


里山倶楽部四国編 

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