夏の里山 一の森 剣山   2013/06/14
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 初夏の剣山 夏の花には少し早すぎました -

例年6月の終わりから7月中旬にかけては、一の森、剣山、次郎笈の縦走コースを何回か歩くことにしている。

蒸し暑い季節は少しでも高い山が涼しいし、夏の遠征に向けてアップダウンの多いコースの練習の為だ。

山は登って降りるだけというのが一番疲れない。

アップダウンが多いと下りの後の登り返しがつらく感じる。

まあ一の森、剣山、次郎笈コースでは余り練習にならないが、それでも少しは役に立つだろう。

例年より10日程早いが、夏の花は咲き始めているだろうか?



まだ国道438号線が見ノ越トンネルの手前で不通の為つるぎ町経由で見ノ越に向かう。

木屋平経由より可成り時間が掛かる。

夫婦池の所で子鹿が2匹私達を見ていた。

可愛いなあ。

でも増えすぎて山の嫌われ者になって、今では駆除対象になっている。

私達を見て何とか助けてと言っているようだった。

しばらく見つめ合っていたがやがて去って行った。

2時間半足らず掛かって見ノ越到着。

平日だというのにもう10台程車が停まっている。

四国外の車が半分以上だ。

準備して直ぐに出発。

かっこいい映画のポスター?が張ってあった。



三嶺は頂上部に雲がかかっている。

気温は18度

今日は暑い一日になりそう。



7時50分剱神社出発。

随分と緑濃くなっていて蝉の鳴き声が響き渡っている。



オククルマムグラやタニギキョウが沢山咲いている。



コクワガタソウの花が沢山咲いている。

西赤石ではよく見るが剣山では始めて。

登山道脇にずっと咲いていた。



トンネルの手前にはツリバナの木が沢山有り一杯花が咲いている。

こんなにツリバナが多いことを花の時期に来て始めて知った。

しかし、秋にあの独特な真っ赤な実を見たことがないのが不思議だ。



秋には是非真っ赤な実を見てみたいものだ。



カマツカの花も綺麗に咲いている。

朝早いというのに気温が高く早くも汗びっしょりとなる。



スズタケは背が高くなっているが緑の葉が上部にしか付いていない。

鹿の食害なのか?

それともその他の原因で枯れたのか不明。



ナナカマドはまだ蕾



倒れて登山道に大きく被さっていたミズナラ?の木は、根元から切られていた。

倒れてはいたがまだ元気な木だったのに!



大きな切り株からは沢山の植物が芽生えていた。



オオカメノキは実になっていた。

次郎笈も頂上付近に雲が巻いている。



コメツガの新芽は美しい。



剣山頂上は青空が出ている。

ナナカマドやダケカンバは柔らかな色の若葉がとても綺麗だ。



雲が晴れて三嶺が綺麗に見えだした。



8時35分西島駅着。

誰も居ない。



駅舎横のコマユミに小さな蕾が沢山出来ていた。

この木は何時も花は沢山咲くのだが実は少ししか出来ない。

今年は沢山実がなると良いのだが。

見上げると真っ青な空に雲が流れている。

今日良い天気のようだ。



一昨年鹿に幹を囓られた後、独特のまつぼっくりを沢山付けていたウラジロモミがとうとう枯れてしまっていた。

去年はまだ緑の葉が一杯付いていたのになあ。

鹿が幹の周りの樹皮をグルッと囓ってしまうと2年後にはこの様になるようだ。



2011/06/25の同じ木の松ぼっくり



国道438号の崩壊地は可成り修復工事が進んでいる。

今年中に通行可となると良いのだが。



ツクバネソウが沢山咲いている。

真っ赤に枯れたウラジロモミが目に付く。



ミミナグサが沢山咲いている。

ミミナグサは田んぼの畦などに咲く花だと思っていたがこの様な高山にも咲くんだなあ。

萼片と花の大きさが同じなのでミミナグサで間違いないだろう。



ヒメレンゲやズダヤクシュも咲き始めている。



刀掛けの松まで来ると一人休憩されていた。

今年もムラサキサギゴケが群生している。



ナンゴクミネカエデの花が満開。

去年は殆ど花が終わっていてガッカリしたが今年は丁度花の盛りに出会えた。



カニコウモリはまだ蕾も出ていない。

シコクハタザオが古木の苔に咲いている。



ミヤマハコベの大きな花も沢山咲いているがバイケイソウはまだ蕾。



今年はシコクハタザオが多い。

小さなミヤマハタザオも沢山咲いている。



ヤマシャクヤクが一輪咲いていた。

ヒメフウロの葉は沢山有るがまだ蕾も出ていない。



ヒメウツギが沢山咲き始めていた。



カノコソウやイワガサはまだ蕾。

来週ぐらいが見頃かもしれない。



こんな所にギンランが。



穴吹川源流に向けて下って行く。

昨年落ちてきた大岩はそのままになっている。



穴吹川源流の横の小さな滝も今年は水流が少ない。



流れの横にはオオタネツケバナやウワバミソウが咲いている。



お花畑のヒメシャラやカニコウモリの開花はまだ少し先。



花は咲いていなくても最高の雰囲気



一の森への分岐に来るとツマトリソウが沢山咲いている。

ピンクのつまとりのある花を探したが見つからなかった。



一の森ヒュッテに向かうと新しい鹿の囓り跡が沢山有る。

このナナカマドは鹿の角研ぎ跡があり樹も囓られている。

角研ぎをした後で樹皮を囓ったようだ。



二ノ森ではアカカンバが全滅に近いが、一の森ではナナカマドがひどい状態。

それも最近囓られたばかりのようだ。



一の森ヒュッテに来ると、去年は咲いていなかったノビネチドリに蕾が出来ていた。



今日は休みのようだ。

ヒュッテの庭で一休憩



ヒュッテの庭のシコクシラベの葉が赤くなっている。

幹は全て網がかぶせられていて鹿に囓られないようにしているのだが?

雨が少ないので枯れ出したのかな?



休憩後三角点に回る。

三角点からの剣山と次郎笈



この紫なのは五葉松の実?



何時もの五葉松の岩場にマイヅルソウを見に行く。

沢山咲き始めていたが、もうピンクの実になっているのもあった。



一の森山頂で記念撮影。

剣山、次郎笈方向に雲が出てきた。

そう言えば午後から雨が降るかもしれないとの天気予報だった。



急いで剣山に向かう。



二ノ森への岩場で、シコクバイカオウレンの実が出来ていたが、まだ紫にならずに緑だった。



二ノ森から経塚森に向かう。



鹿に囓られたシコクシラベが赤く枯れていた。



アカカンバも鹿に囓られた木は葉が出ていない。

枯れ木のようだ。

いずれ枯れて朽ちるのだろう。

モミも赤く枯れた木が毎年増えている。

数年すれば剣山の景観も随分と変わってしまうだろう。

鹿が犯人のようだが、鹿は犯罪者なのか。

自然のバランスを狂わせた本当の犯罪者は人間だと思う。

鹿も被害者かもしれない。

朝、夫婦池で出会った子鹿たちの可愛い瞳が頭から離れない。

今日BSで知床のエゾ鹿も同じように増えすぎて樹皮を囓るので年間10万匹程駆除していると言っていた。

以前、絶滅の危機があり阿寒湖から連れてきて保護したが逆に増えすぎたという。

徳島でもついこの間まで保護のため雌鹿を狩ったらいけないとか規制していたようだ。

机に座ったままで年に数度しか山に入らない人達が唱える自然保護は時としてこの様な悲惨な結果を生んでしまう。

やはり常に山に入りモニタリングする必要があるのだろう。

関東ではすでに10年も前から鹿の食害について真剣に取り組んでいた。

その情報は四国にも伝わっていたはずだ。

そのと時にしっかりとした対策をとっていれば、この様に悲惨な状況にはならなかったのではないだろうか。



剣山へ向かう所のサークルが完全に消えていた。

笹の病気はすっかり治ったようだ。



わずかに花の縁(ツマ)がピンクのツマトリソウみっけ。



剣山ヒュッテに近づくと鹿に囓られていないアカカンバの緑の葉が初々しい。

11時23分剣山ヒュッテ着



タカネバラに沢山蕾が出来ている。

今年は沢山の綺麗な花を見ることが出来るかな?



ヒュッテで冷たいノンアルコールビール300円と暖かい半田そうめん500円を注文。

平日なのと時間が早いのでお客は少ない。

新居さんは留守だが3代目と来週の日本百名山に剣山が出る件でしばらく話し込む。

コンパスの石丸さんがガイドで出演されるそうなので楽しみ。



随分と話し込んで頂上に向かう。

頂上には神戸から来られた団体が食事中。



例年のように次郎笈に向かって下って行く。

でも何か雲行きが怪しい。



次郎笈に向かって下って行くとツマトリソウが沢山咲いているがピンクの花は見つからなかった。



次郎笈に登るのかと思っていたら家内は分岐から西島に向かって曲がっていった。

午後から雨の予報が気になるらしい。

でも天気は回復しているように見えるのだけれど。

トラバースはナンゴクミネカエデの花が多い。



普通ナンゴクミネカエデは葉の間に引っ付いて花が咲くのだが、此処のは房のように垂れて花が咲いている。





トラバース道をノンビリ帰る。

平日なので誰にも出会わない。



ミミナグサやタチイヌノフグリが多い。

この様な田の畦に咲くような花が剣山に群生していることが不思議。



ツクバネウツギが此処でも満開。

他の山で見るツクバネウツギとは少し雰囲気が違う。

バイケイソウは此処でもまだ蕾



剣山でもブナに沢山実が出来ていた。

ナナカマドも咲き始めていた。



ブナの実と枯れてしまった用済みの雄花

ドンドン下っているとアナグマに出会った。

こんな高山にも住んでいるんだ。



ウリハダカエデはもう花が終わって実になっていた。

右の花は?



ツリバナには少しピンクの花もある。



登山口近くまで降りてくると、ガマヅミの花がまだ綺麗に咲いていた。

大きなドウダンツツジの木に花が咲いていた。



淡い緑色の花が何ともいえず素敵だ。

もう少しすると標高の高い所にも咲き始めるだろう。



剱神社の気温は24度

13時54分。

随分とユックリ山歩きを楽しむことが出来た。

見ノ越の駐車場に帰ってくるとバスが停まっていて県外ナンバーの車が増えていた。

頂上では殆ど人に会わなかったのにトラバース道を下っている間に沢山登山客が来たのかな?

帰りにまた車道を歩いているアナグマに出会った。




歩行距離 10.3㎞

累計標高差 ±928m

歩行数 22,100歩

里山倶楽部四国編 

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