夏の里山 龍山(東尾)   2013/06/02
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 龍山 サラサドウダン -

例年この時期には東尾にジンリョウユリを見に行くことにしている。

しかし、今年は守る会の人達が他の場所での保護活動に時間をとられて東尾での活動が少なかったらしい。

その所為で、鳥獣により球根が食べられて数万本のジンリョウユリが全滅したそうだ。

人が入れば盗掘が増えるし、人が入らないと鳥獣の食害が増える。

やはり里山は人が入り適切な管理をすることが必要なのだろう。

ジンリョウユリが咲いていないのは残念だが、例年通り東尾に行き龍山に登ることにする。

サラサドウダンが咲いているのに出会うのが楽しみだ。



東尾の林道終点の広場に駐車。

今年もウツギやマルバウツギが満開。



ユキノシタも沢山咲いている。

ジンリョウユリの入り口の廃屋も寂しそう。

出発しようとすると雨が降ってきた。

レインの上着とスパッツを着ける。



一面にウツギの花が咲いている。

東尾登山道(登山口)の標識の前に車が停まっていてご夫婦が登山準備中だった。

9時21分出発



ウツギの花の間を潜って登山道に入る。

何時ものように犬が吠えている。

綺麗な花はアヤメかな?



最後までおばあさんが一人で住んでいたという民家を通過。



見事に育った杉の植林地を行くと最終の廃屋



住民がこの地を離れる時に畑に植えたと思われる杉の木は10m以上に育っている。

もう数10年が経過しているのだろう。

鳥が種を運んできたのか?立派なソテツに花が咲いている。



竹ヶ谷の分岐を左へと東尾山頂に向かう。



ヤマゴボウやナルコユリはまだ蕾



また竹ヶ谷の分岐を左へと行く。

小さな滝が流れ落ちている。

水に濡れた岩は黒く光っている。



杉の林床にはフタリシズカが群生している。

雨が小降りとなってきたのでレインを脱ぐ。



タニギキョウはピンクの筋が入っていて可愛い。

トチバニンジンはまだ蕾



沢に丸太の橋が架かっている。

昨年はこの橋を渡ろうとして途中で滑って前に進めなくなった。

今日は雨が降っているので余計に滑るので右の岩場を通過する。



踊石への分岐が有るがまずは龍山(東尾)を目指す。

登山道脇では杉や桧が間伐されて明るくなっている。



岩の苔が雨に濡れて綺麗だ。



視界が開ける場所があり、山々が雲海の上に浮かぶ。

山名は同定できない。

鰻轟山等の県南の山かな?



10時30分 竜峠到着



痛んだ階段の急坂を山頂に向かう。

雨に濡れて滑りやすい岩場はちょっと緊張した。



苔の付いたロープ掴んで急坂を登る。

雨に濡れたヒメシャラは綺麗だ。



ホウノキの幹の途中に何カ所か葉が生えている。

変な葉の生え方をするものだなあ。

ブナは随分と緑濃くなっている。



堂々としたブナを見上げる



山頂部はオンツツジが落花してピンクの絨毯を敷き詰めたようだ。



針金で囲んだツツジの木があり上を見るとサラサドウダンの花が咲いていた。

サラサドウダンの葉は5枚だ。



東尾(龍山)1169m到着

10時49分

直ぐに踊石に向かって降りていく。



少し降りると踊石の分岐に着く。

更に踊石に向けて進むと、上勝町のサラサドウダンを守ろうという標識がある。

左から林道のように広い道が来ているが何処からの道か不明。



笹の道を上って行く。



サラサドウダンの古木に着くが花は殆ど散っている。



踊石に上がる。



今年も咲いていました。

大きなサラサドウダンの花が満開に咲いて待っていてくれました。

サラサドウダンは日本固有種。

北海道西南部、本州の兵庫県以東、四国の徳島県に分布し、深山の岩地に生育する。

花冠は1センチ程あり他のドウダンツツジよりもずっと大きい。

この山のサラサドウダンの花は特に大きいように思う。

この様に見事なサラサドウダンはこの山以外では見たことがない。



踊石の切れ落ちた端に立ち見下ろすと、深い緑の奥下に長安口ダム

水量は可成り少ない。



また雨が降ってきて遠くの山が霞んできた。

さざれ石の岩に座り込んで昼食。

6月というのに少し寒くて熱いコーヒーが美味しい。



食事をしている間に雨が上がり山々が見えだした。

もう一度サラサドウダンを楽しんでから下山。



岩を降りて龍王社にお詣り

去年あった歌詞カードがなくなっていた。



看板の所まで降りてくると、登山口でお会いしたご夫婦が上を見上げて撮影中。



私達も見上げると此処にもサラサドウダンが咲いていた。

可成り大きな木だ。

この山には、彼方此方にサラサドウダンの木があるようだ。

踊石のサラサドウダンが見頃ですよと言うと喜んで登って行った。



?の花とブナの実



まだ若いが大きく手を広げた器量よしのブナの木



分岐から左へと登山口に向けて下る。

ここも階段が痛んでいる。



綺麗な桧の植林帯を下る。

左に大きなさざれ石がある。



去年は此処から直進して道を間違ってしまった。

岩の所から大きく右に曲がる。

木の階段が枯葉に隠れているので良く確認することが必要。



今度は杉の植林地帯を下る。



岩場にはイワタバコの葉が一杯。

夏には素敵な花が沢山咲くことだろう。



こんな所にサワギクが沢山咲いていた。



ピンクのヤマゴボウの蕾が沢山有る。

ピンクの花を咲かせるのかな?



最終廃屋まで降りてきた。



ガマズミの花がまだ咲き残っていた。

スイカズラは満開。



登山口まで帰ってくるとナワシロイチゴの花が咲いていた。

13時丁度駐車場着。

13,000歩程の山歩きだった。

ジンリョウユリには会えなかったけれど今年もサラサドウダンの花を見る事が出来た。

ジンリョウユリがまた増えることを願って帰宅の途についた。



帰りにわじき温泉に寄る。

わじき温泉は地元の方が経営しておられるが、宿の裏手の銅山跡から湧き出す硫黄を含んだ鉱泉は、膝の痛みなどによく効く。



温泉の横にはオキナグサの咲く那賀川鷲敷ラインが流れている。



レトロな体重計。

200㎏まではかれる体重計は珍しい。



ロッカーは10円

浴槽は広くて深い。

ジェットバスも三方向から勢いよく出ている。



大きな窓からは絶景の鷲敷ラインが大きく広がって見える。

この温泉には三郎鉱泉冷水があり、しびれる程冷たい水に首までつかると10秒も我慢できない。

その後温泉に飛び込むと、体中がジンジンとしてきて血が一気に流れるのを感じることが出来る。



3回程冷水と温泉を繰り返してユックリとする。

ポカポカになってロビーに帰ると、さきほどの冷泉を飲むことが出来る様になっている。

冷たい冷泉はとても美味しかった。

温泉は350円。

一泊二食で7350円は安いなあ。

昔、昼食を食べたことがあるが手作りの田舎料理で美味しかった。



帰りの道沿いにニシキウツギが綺麗に咲いていた。

これからしばらくは雨の山を楽しむことになるがそれもまた楽しいと思う。


里山倶楽部四国編 

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