春の里山 天行山 東宮山   2013/04/03
ホームページ里山倶楽部四国編 

-  天行山 東宮山 満開の枝垂れ桜 -

4月からフルタイム勤務から変更となり、休みが多くなった。

今日はその初めての休日。

ノンビリすごそうと思っていたが、家内が今週末は雨の予報なので桜を見に行きたいという。

今日の天気予報は午前中は曇りで昼からは晴れ。

神山の桜を見たついでに東宮山に登ることにする。

神山のサンクスで食料調達していたら同じ団地のカモシカさんがやってきた。

挨拶してから先に出発。

カモシカさんは何処の山に行くのだろうか?



神山町内の枝垂れ桜は素晴らしい。

毎年木が生長して花のボリュームが増している。

川井峠のトンネルを越えて大北木戸峠線の入り口の立派な駐車場に車を停める。

木屋平の木のキャラクター「きこりん」君がお出迎え。

このキャラクター人形は木屋平近辺に48体設置されているらしい。



剣山方向は黒い雲に覆われている。

白い神社から登山スタート

7時42分

枝垂れ桜が満開



強風が吹き荒れているが、まだ8部咲き位の枝垂れ桜はあまり散りもせずに美しい。

白い神社のご神体の大岩?



神社から左へと天行(あまぎょう)山を目指す。



良く踏み込まれた緩やかな道を上って行くとまた東宮山への分岐があった。



ミツマタの花が綺麗に咲いている。

道はとても歩きやすいが風がゴウゴウと吹いている。



沢山の石仏のある広場に着く。



石仏には天行院と彫られている



石仏の間に歌碑もある。



見下ろすと木屋平の村落が見えている。

旧役場や学校そしてエドヒガンの古木がある大桜温泉。

大桜温泉の浴室から見えていた山はこの山だったことが解る。



大岩の横を通り滑りやすい石の階段を上がる。



「天行山窟大師堂」があり此処にも沢山の石仏がある。



大日如来が祀られている祠にお詣りをする。

石仏の左から登って行く。



風が益々きつくなり、アラレが降ってきた。

春の嵐のようだ。

雨も混じっているのでレインを着る。

急坂は濡れて滑りやすい。



急坂を登り切ると天行山925m頂上着。

8時29分。

頂上には石積みの上に棒が一本立っているだけ。

キティ山岳会の標識はなくなっている。



アラレがバラバラと降ってくる。

風が強いと気分が落ち着かない。

直ぐに下山開始。

タムシバの花が咲き残っていた。

濡れた落ち葉の急坂は滑りやすい。

家内はかなり慎重に降りていたが、突然滑って尻餅をついた。

落ち葉の下に木の根があったようだ。



温度計を見ると1度。

寒いはずだ。



尾根を行くと向こうに東宮山?

トラバース道をドンドン進むと川井峠への分岐を通過。



広い林道に出る。

林道は長い間使われていないようだ。



山の神様がありお詣りする。

林道を進むと交差点のような広場に着く。

9時10分

右へ行くと東宮神社へのトラバース道。

東宮山への直登路を進む。



ブナの大木が多くなる。



急坂の登りとなると岩の痩せ尾根を進む。

岩と木の根が濡れている上に強風なので気が抜けない。



痩せ尾根がまた出てくる。

道ばたにスミレが咲いているが、ヒナスミレだろうか?

それともシハイスミレか?



ズリズリと滑る急坂を登り切ると、山頂の社に着く。



もう一つ神山側にも社がある。

二つとも東宮御所神社の奥の院の社。

神山町側の「東宮神社」は天照大神、国常立命を、木屋平側の「春宮神社」は土御門天皇、後嵯峨天皇を祀っている。

東宮山山頂1091m着

9時32分

二等三角点「春宮山」がある。

木屋平では、本宮山のことを春宮山と呼んでいるらしいが三角点はその名前を使っている。

天皇家とゆかりの深い忌部族の三木家のある木屋平は実在の土御門天皇、後嵯峨天皇を祀り、

邪馬台国と由縁のあるという神山は古事記の世界の天照大神、国常立命を祀っている。

宝暦4年(1754年)の流血事件もその辺に原因があったのかもしれない。



山頂では気温0度

強風の所為で体感温度は氷点下

記念撮影して直ぐに下山開始



滑りやすい急坂を注意して下る。

ヒメシャラとブナが合体



シコクブシの葉が一杯



やがて神社の社の屋根が見えてきた。



左は通夜堂 右は東宮御所神社だろう。

社は立派だが、中は雑然としている。

9時58分着



平成6年につくられたステンレスの鳥居。

鳥居は木屋平の男性が寄進したので「春宮神社」の額が掛かっている。

「東宮」も「春宮」も皇太子を意味する。

「春宮神社」に祀られているのは土御門(つちみかど)(1196年12月23日 - 1231年11月6日)と後嵯峨天皇

土御門(つちみかど)天皇は、後鳥羽上皇の第一皇子だった。

4歳という幼くして天皇になってからも後鳥羽上皇の強力な院政が続いたので、東宮(皇太子)のようだと評されたらしい。

その後父の上皇が承久の乱で破れた為、自ら土佐そして阿波に流され、土成の御所で崩御されたそうだ。

また、鳴門の大麻の阿波神社には火葬塚があり、阿波徳島とは縁の深い天皇だったようだ。

それにしても土成の御所と東宮山は離れているので本当の御所は何処にあったのだろうか。

一緒に祀られている後嵯峨天皇は、土御門天皇の第二皇子。

土御門天皇が土佐に流された時にはまだ二歳だった。

その後困窮の生活を送るが、承久の乱に関係が薄いと言うことで青天の霹靂で天皇に即位した。

また土御門天皇の御落胤と言われる日蓮聖人は阿波とゆかりのある安房郡小湊の生まれ。

山を歩くと古のことが色々と気になるようになる。



雨が止まないので、壊れた舞台小屋?で昼食。

太鼓や祭り用の道具などが散乱していた。

由緒ある神社なのに残念だなあ。



舞台小屋の横から下山開始

広い林道に出るが下山口が解らない。

少し進むと二本テープの印がある。

入り口は少し荒れているが踏みいるとしっかりした道がある。



荒れた道を少し行くと綺麗な道となり標識がある。



大きな音がするので下を見ると林道工事が進んでいる。

直ぐそばに荒れた林道があるのにまた新しく林道を作るのだろうか?

少し登り返していく。



東宮山への分岐に帰ってくる。

林道を歩き朝来た道を進む。



分岐から川井峠方向に左へと曲がる。

少し言った所で家内がまた枯葉に隠れた木の根に躓いて転んだ。

膝を打って可成り痛そう。

気をつけているのだけれどやはり山は晴れた日に歩かないと面白くないし危険だなあ。



尾根道から右へと道が降りている。

天行山との分岐に出るのだろう。

私達は真っ直ぐ尾根を行く。

直ぐにピークの左を巻く様になる。

道を塞ぐように濡れた岩があるので上を巻いて降りていると単独の男性が登ってきた。



シロモジが沢山咲いている。

先日の中津峰ではクロモジばかりでシロモジはまだ咲いていなかったのに早いなあ。



シロモジは好きな花なので何枚も撮影する。



右下に神社の桜が見えてくるとNHKの電波塔に着く。

ここから神山側に降りることが出来る様だ。



右に引き返すように降りると白い神社に帰ってきた。

桜見物の人が増えていた。

11時36分



風が止んで薄日が差してきたが、剣山方向はまだ黒い雲の中。

トイレをお借りして帰り支度をしていると、カモシカさんがやってきた。

なんとあれから一の森まで行って霧氷を見てこられたそうだ。

流石早いなあ。

しばらくお話をしてからお別れする。

今日は天気は悪かったが、結構アップダウンのある面白い山を歩くことが出来た。

休みが多くなったので、色々な山にまた行くことが出来るだろう。

楽しみだ。



歩行距離 7.45㎞

累計標高差 ±710m

16,500歩


里山倶楽部四国編 

ホームページにも是非お立ち寄りください